ボールベアリングメンテナンス
現代ヨーヨーの多くはボールベアリング軸を採用しています。ボールベアリング軸には潤滑油がしみこませてあります。この潤滑油が乾燥してしまうと、良くも悪くもヨーヨーの特性が変化します。
このページではメンテナンス(保守)、つまり買った時の状態を保つ方法を説明します。
用意する物
パーツクリーナーは有ると楽ちんです。無くても結構です。
キムワイプはケバ立ちや紙粉が無いのでちょっとこだわってみました。実はティッシュで十分です。
最も重要なのが、潤滑油(ダンカンリューブ)です。
作業
まず、ヨーヨーを分解します。
ヨーヨーはボルトとナットで組み付けられているので、くるくる回すと簡単に分解できます。
ボールベアリング軸は二つのスペーサーで挟まれています。
スペーサーとボールベアリング軸の間には、ストリングのケバや余分な油等が付着しているのでコレをキレイに拭き取ってやります。
パーツクリーナーを使うと楽ちんです。パーツクリーナーを吹き付けてやると簡単に汚れが取り除けます。パーツクリーナーはホームセンター等で売っています。
パーツクリーナーを使う場合は出来るだけ屋外で使ってください。注意書きには換気する事と記述されていますが、それは工場等の比較的広い場所の使い方です。自宅の部屋等は広さが全然足りませんので換気だけでは不十分です。部屋の中での使用はできるだけ避けましょう。中毒になるかもしれません。
そして油を塗布します。
スペーサーの上にベアリングを載せ、ダンカンリューブを塗ってやります。
余分な油は後で拭き取るので多少はみ出しても気にしません。
油を塗った面にもう一つのスペーサーを被せてやります。
これで手にとっても油が手に付きません。このままスペーサーごとベアリングを持ち上げ、逆さまにしてスペーサーを取り外します。
はい、ひっくり返った状態です。この状態でまた同じように潤滑油を塗布してください。
そうして再び油を塗布した面にスペーサーを被せてやります。
スペーサーの向きに注してください!
スペーサーには、『向き』があります。間違って組み付けてしまうと、最悪は元に戻らなくなってしまいます。
スペーサーの方向に注意して組み付けてください。
写真の様にスペーサーごと手にとって余分なはみ出した油をティッシュ等で拭き取って下さい。
分解した時と逆の手順で組み上げると完了です。
補足説明
今回はダンカンリューブを使用しました。それ以外にミシン油等の機械油でも結構です。ルーピングトリックを主に行うのであれば、ダンカンリューブ等の堅めの油が向いています。
ストリングトリックならサラサラの油が良いと思います。
ボールベアリングには、初めから油が染み込ませてあるので、それが乾燥してしまわないように定期的に潤滑油を補充するようにしてください。それで十分です。
メンテナンスではなく、セッティングとしてボールベアリング軸をいじる方もいらっしゃいます。
パーツクリーナー等でボールベアリングを洗浄した場合、ベアリング内部が脱脂されてしまうので著しく性能が変化します。
例えばスリープ時間が長くなったり、異音がするようになったりします。スリープ時間を延ばすためにあえてそうする方もいらっしゃいます。
交換パーツとしてベアリングも販売していますので、『壊れたら交換しよう!』程度の軽い気持ちであれこれセッティングを変えてみるのも楽しみの一つです!
注意事項
- スペーサーの向きに注意してください。
間違った方向にスペーサーを組み付けると壊れます。
- リターンシステムに油を塗らないでください。
ベアリングからはみ出した油がフリクションステッカーやスターバースト・ブレーキパッド等に付いてしまうと ヨーヨーが戻らなくなってしまいます。
機械油等には添加剤が含まれており、とても良く滑るようになるので特に注意が必要です。
- 注油するとスリープ時間が短くなります。
注油はスリープ時間を短くします。スリープ時間を長くしたいのであれば、注油するのではなく脱脂してください。